この孤児院の8歳以上のすべての子供たちは、2005年6月と2006年1月の2回にわたり、自分たちの置かれた窮状を訴えるべく、全世界の良識に向けてアピールを発信しました。以下は全50通の手紙の中から抜粋した5通です。子供たちの生の叫び声です。
リー・チェンダ (12歳、男)
昔、僕は故郷で両親と一緒に暮らしていました。お父さんが死んだ後、お母さんが一人で家族全員の面倒を見ていました。しかしお母さんは病気になり、そして死んでしまいました。僕と兄弟は住む家がなくなりました。生きていくことはとても困難でした。僕たちは親戚のもとに身を寄せようとしましたが、親戚は嫌がりました。もし親戚の家で住むのであれば、僕たちは自分たちで食べるものを見つけなければならないというのです。そこで僕たちはお父さんの友達のところへ行きました。彼が僕たちをこの孤児院に連れてきてくれたのです。その友達はその後間もなく死んでしまいました。
今、僕は育ての母と一緒に暮らしています。このお母さんが僕をここまで育ててくれたのです。僕たちが体中疥癬にかかったときでも、お母さんは決して厭わず、面倒がらずに看病してくれました。お母さんはいつも住まいを清潔にしてくれます。夜にはお母さんは始終僕たちの額に手を触れて熱が出ていないかどうか調べて回るので、いつも睡眠不足です。お母さんは一生懸命働いてお金を貯め、土を買って以前の湿地を埋め立て、臭い水を取り除き、僕たちが住む場所を快適な場所にしてくれました。お母さんがたった一人でやってくれたのです。政府が助けにきてくれたことは一度もありませんでした。ところが今、サンライズはお母さんを追い出し、僕たちから引き離そうとしています。彼らは口では僕たちを助けにきたと言いますが、実際には逆に僕たちを殺しに来たのです。
彼らは憚ることなく多くのひどいことをしています。彼らは電気を止め、水道を止め、食料の補給を絶ち、旅行者を規制しています。旅行者が入り口のゲートにやってくると、いつもボンナーが行って旅行者を制止し、僕たちの悪口を言うのです。旅行者を制止するために彼らは警備員を雇いました。彼らはいつもお母さんを誹謗中傷しています。しかしお母さんはいい人です。お母さんは僕たちにとって最高のお母さんです。
僕はすべての人によく考えてほしいのです。サンライズは本当に僕たちを助けるために来たのでしょうか?
最後に僕はすべての親切なNGOの皆さんにお願いします。どうぞお母さんを助けて下さい。お母さんは年をとり、体が弱ってきています。よく病気もします。
僕たちは将来良い人生を送るためにもっと勉強したいと思います。
シェムリアップ、2005年6月24日
ペン・ソクンテア(15歳)
私はソクンテア、15歳の女の子です。
私は小さな頃から育ての母であるトーラエムさんと暮らしてきました。私やほかの子供たちが病気になったときは、お母さんがいつも心を込めて看病してくれました。どんな問題が生じても、私たちが幸せに暮らせるように、お母さんはいつも一生懸命あらゆる問題を解決してきました。お母さんは自分のことを顧みずに私たちの良き母親となってくれました。お母さんは私たちを愛し、私たち孤児を慈悲の心で包んでくれているからです。お母さんは私たちのような孤児が必要とする指導と愛情を十分に与えてくれます。だから私たちはお母さんの暖かい心にとても満足しています。私たちはお母さんを本当の母親として愛し、尊敬しています。私たちはお母さんに全幅の信頼を寄せています。お母さんと一緒だったからこそ、私たちは幸せと愛情を育んでくることができたのです。
ちなみに、私たちが住んでいる場所は以前は泥沼のような湿地で、臭い水がたまり、不快な場所でした。そこで生活するのはとても大変でした。しかし、お母さんがこの土地を頑張って改良し、今ではとても快適な場所になっています。
ところが、2004年11月にサンライズがやってきてからは、私たちの幸せは引き裂かれ、すべてが変わってしまったのです。サンライズはお母さんを私たちから引き離そうとし、私たちをサンライズの下で生活させようとしています。しかし、私たちはそれを拒んでいます。私たちはお母さんをとても愛しているからです。私たちにとってお母さんの徳と愛は欠けがいのないものです。私たちは一生それを忘れることはできません。仮にもし私がサンライズとともに暮らすことを選ぶとしたら、私は人間としての尊厳を失うことになるでしょう。だから私はお母さんと離れたくはありません。
サンライズは電気を止め、水道を止め、薪や食料の配給を止めています。そのため私たちは大きな困難に直面しています。お母さんは私たち家族を養うために、また特に子供たちが将来のために勉強できるように、一生懸命働いています。サンライズが来てから多分1ヵ月ぐらいしてから、彼らは警備員を配置して毎日旅行者を制止し、彼らのオフィスに連れていってお母さんを中傷しています。彼らは、お母さんは子供たちを叩き、子供たちの人権を無視していると言います。しかしそれは真実ではありません。もしお母さんがそんなことをしていたとしたら、私たちは今に至るまでお母さんを愛し続け、支持し続けてはいません。お母さんは私たちに忠告を与えるだけです。すべての親が子供の良き将来を願うのは当然のことでしょう。親の忠告は、ほとんどの場合、正しいのです。それにひきかえ、サンライズはとても悪質で、彼らは自分たちの利益のために私たちに対してひどいことを数多くしています。
最後に、私はすべての心優しい人々にお願いします。どうか私たちを助けて下さい。そしてサンライズの言うことを信用しないで下さい。私たちは皆お母さんが善良な人であることを保証します。私はすべての心優しい皆さんの支援に感謝し、皆さんがいつも幸せかつ平和であるように祈ります。世界中の子供たちにお願いします。どうぞ親を尊敬し、親を愛して下さい。親の愛は他のなにものにもまして貴いものですから。
シェムリアップ 2005年6月24日
ペン・ソクンテア
ティヴィー(17歳)
私はソティーヴィー、17歳の女の子です。私は小さな子供の頃からここで、育ての母、トーラエムさんに育てられてきました。昔、私たちが住んでいた場所はとても汚い所でした。お母さんがその場所をきれいにしようと頑張ってくれたおかげで、今ではここでとても快適に暮らし、遊んだり、野菜を植えたりしています。お母さんは20年近くの間、私たちに愛情を注ぎ、日々の暮らしを改善してくれたのです。お母さんはいつも私たちに良い教育を受けさせ、多くの経験を積ませてくれます。あらゆる問題を解決し、私たちのために一生懸命働いてくれたのは、お母さんだけです。だから私たちはお母さんを忘れたり、失ったりすることはできません。私たちはお母さんを本当の母親として愛しています。私たちは最初の母親を亡くしました。ですから、私たちは絶対にお母さんを、2番目の母親を失いたくはないのです。いつまでもお母さんと一緒に暮らしたいのです。
ところが2004年11月13日にサンライズがやってきてから、多くの難しい問題が起きました。彼らは私たちを管理し、お母さんを追い出そうとしているのです。彼らは水道も電気も止め、私たちの生活と勉強を邪魔しています。彼らは旅行者が私たちを訪問して支援してくれるのを妨害し、旅行者をオフィスへ連れていって、お母さんの悪口を言います。しかし彼らが言うことはすべて本当のことではありません。旅行者が私たちを訪問するためにゲートのところまで来ると、いつもサンライズのスタッフが旅行者のところへ走っていって、オフィスに連れていくのです。皆さんはどう思いますか?それは正しいことでしょうか?それはいいことでしょうか、悪いことでしょうか?もしあなたの家族がばらばらに引き裂かれるとしたら、あなたはどう思いますか?
皆さんは私たちの家族のような多くの子供たちを養うことができますか?それは容易なことではありませんが、お母さんは私たちの将来のために頑張って私たちの面倒を見てくれています。
教育と健康は私たちのような孤児にとってはとても大切です。今なおサンライズは私たちに対して不当な行為を続けていますが、それによって私たちは、生きるためには闘わなければならないということを学びました。これは将来のための授業のようなものです。
私はこのような困難な状況に陥っています。そこで私は世界中の人々に、特に私の友達の皆さんに私の苦境を知ってもらい、皆さんからの支援と激励をもらえればと思っています。
難しい問題に苦しむ一人の孤児として、私はすべての心優しい人々に、そしてすべてのNGOにお願いしたいのです。どうか正義と私たちの人権のために私たちに力を貸して下さい。
心優しいすべての人々に末永き幸せをお祈りします。
シェムリアップ、6月24日
ソティーヴィー
ペア・カウン(10歳、女子)
私はペア・カウン、10歳の女子です。孤児院に住んでいます。私はお母さんが誰なのか知りません。でも私には育ての母親がいます。このお母さんと一緒に暮らしてきて、私には心から安らぐぎことがきました。お母さんはすべての子供たちに安らぎを与えてくれます。私が病気になると、お母さんはいつも薬をくれます。それでも病気が治らないときは、私を病院に連れていってくれます。私は誰かが私の家族を不幸に陥れるなんて、想像もしていませんでした。ところが、サンライズが私たちを不幸に陥れたのです。そのとき私たちはとても辛い思いをし、私は勉強が手につかなくなって、成績もどんどん落ちていきました。でも私は負けませんでした。私たちはずっと戦い続けてきました。私が大人になったら、お母さんを年寄りになるまで世話してあげたいです。私は本当に幸運です。お母さんと一緒に暮らせることが私の誇りです。
お母さんは最高の母親です。私はサンライズが大嫌いです。彼らは電気を止め、水道を止め、私たちを訪問しようとするお客さんを止めるのです。私のお母さんの名前はトーラエムです。私が大きくなったら、お母さんに恩返しがしたいです。
以前は誰一人ここを訪れようという人はいませんでした。みんなここを嫌がっていたからです。私たちがここを住みやすい場所に変えた後、このNGOがこの土地を欲しがり、お母さんを追い出そうとしているのです。
私はお母さんと離れたくありません。いつまでもお母さんと一緒に暮らせれば、私は満足です。お母さんは言います。「私たちは幸せに暮らすのよ。」
この手紙を読んでくれる皆さんが幸せでありますように。
シェムリアップ、2006年1月15日
ペア・カウン
ペム・カマラック(16歳、女子)
私はペム・カマラック、16歳の女子です。トーラエムという名前の育ての母親と一緒に暮らしています。小さな子供の頃から彼女が私たちの世話をしてくれました。私は彼女を自分のお母さんだと思っています。お母さんは私たちを養うため、夜でもお金を稼ぎに出かけて行きます。お母さんは私たちのことを自分の子供のように愛しているのです。
以前、ここは泡と泥が混じった沼地でした。誰もここに住もうとしませんでした。お母さんは一生懸命お金をためて土を買い、沼地を埋め立てて住みやすい場所に変えたのです。私はお母さんと一緒に幸せに暮らしていました。
ところが今、私たちの幸せはサンライズによって壊されてしまいました。彼らは私たちからお母さんを奪い去ろうとし、私たちを彼らのところで暮らさせようとしたのです。私たちは抵抗しました。さらにこのNGOは気違いじみたことをし始めました。彼らは警備員を置いて旅行者が私たちのところへ来ないようにしたり、電気や水道を止めたり、食料や薪の支給を止めたりしたのです。彼らはお母さん旅行者が寄付してくれたものをお母さんが売り払ったとか言って非難しますが、しかしそれは本当のことではありません。悪いのはサンライズです。彼らは子供たちを助けに来たと言いながら、実際には子供たちを殺しに来たのです。サンライズのある女性職員など、旅行者が私たちの家の入り口までやってきてもなお引きとめようとするのです。彼らのすることは正しいことでしょうか?彼らは今日に至るまで依然として気違いじみた行為を続けています。旅行者が私たちを支援する邪魔をしているのです。
最後に、私たちとお母さんが正義を求めています。すべての親切な皆さん、私たちを助けて下さい。ありがとうございます。
2006年1月13日
カマラック